宇喜多の捨て嫁読了
木下 昌輝著『宇喜多の捨て嫁』を読了した。
以下、ネタバレを含めつつ感想みたいなものを綴りたい。
高校生直木賞なる聞きなれない賞に選ばれたらしい本作。
高校生直木賞に関しては各自で調べていただきたい。
表題作を含む6編の短編からなる本作だが、全て宇喜多家にまつわる物語である、それぞれが密接にリンクしているので長編と捉えることも不可能ではない。
どの短編にも派手な合戦描写はありません。胸のすくような英雄譚でもありません。権謀術数蠢く戦国乱世をただ必死で生きる人間たちの有り様を生々しく活写した作品です。
読後の爽快感とか、そういうのはホント皆無なんですけど、これこそ歴史小説のあるべき姿なんだと思わせてくれるものですし、短編集でとっつきやすいので歴史小説が得手でない人にこそ読んでほしい一冊でありますね。